中東パレスチナのイスラーム組織ハマスが10月7日、イスラエルに対して大規模な攻撃を開始し、わずか2日間で双方に1300人以上の死者を出すに至った。ハマスとはそもそも何者か。誕生と勢力拡大の背景、その目的、展望などを5点にまとめる。 1.占領地の「落とし子」ハマス ハマスはこれまでもイスラエルと頻繁に衝突し、アメリカをはじめ多くの先進国で「テロ組織」に指定されている。ただし、ハマスの誕生にはイスラエル自身が深く関わっていた。 ハマスは1987年、イスラエルが実効支配するパレスチナで「占領者」イスラエルの打倒を叫ぶ勢力によって発足したからだ。 もともとパレスチナ一帯では、その帰属をめぐってアラブ人(パレスチナ人)とユダヤ人が争ってきた。 この「パレスチナ問題」に関しては、これまでもしばしば記事として書いてきたので、詳しい経緯はそちらを参照していただきたいが、以下の話に関連する点として重要なこと