■ ついったショートショート「甘党の男」 ■ その男の仕事場の抽斗には砂糖壷が入っている。 ■ その男は、砂糖水にコーヒーを少し混ぜた飲料を愛飲している。レシピはコップ一杯の湯と、ティースプーン山盛り13匙の砂糖、インスタントコーヒーの粉末が1匙。男はしばしば、それを牛乳で割って飲む。 ■ その男は酒も好きだが、飲み会にはあまり呼ばれない。 ■ その男は飲みの席でも最初からデザートを頼む。アイスシャーベットでビールをあおり、ケーキで焼酎をちびりちびりとやる。周りが気味悪がるので、その男は専ら家で飲む。 ■ その男の妻は、男の昼食のために毎朝サンドウィッチを作る。男はそれを持って仕事に出かける。 ■ その男の妻がサンドウィッチを作れないとき、男は代わりに昼食代1,000円を渡される。家計は小遣い制で、妻が管理している。 ■ その男にとって、昼食代は嬉しい臨時収入だ。コンビニに行き、生洋菓子コ