末っ子が風呂で私の左膝にある15cm以上もある手術痕に気がつく。傷跡は薄くなっていて,自分でも忘れている。 「おとうさん,これなに?」 「うん手術の跡,崖から落ちたんだ。」 「え,それでちぎれたの」 「うん,それでここだけサイーボーグになったの」 「サイボーグしたの? えー?! それ僕に隠してた?知らないの僕だけ?」 「お前が聞かないからさ。」 駄目だ,楽しすぎる。こういう会話が楽しめる最後の息子,最後の年齢だろう。 「いや,兄ちゃんたちは聞いたりもしなかった。気がついたのはお前が初めて。」 それで,中にターミネーターのウィーンウィーンみたいなアクチュエータが入っているとかいうと彼はすぐに冗談でしょと笑う。うん,嘘だ。 「手術代は当時のお金で1万ドルぐらいで(これは本当),父さん1万ドルの男」とか古いネタを言いたくなるのを我慢して,人工靭帯について図を書いて説明。 「知らなかったよ。いつサ