「身体に悪いもの」として、この数年よく耳にするようになった「トランス脂肪酸」。私の周りでも「マーガリンを食べない」という人が増えました。ところが、トランス脂肪酸は、マーガリンを避けたところで避けて通ることの出来る食品ではありません。菓子パンやドーナツ、フライドポテトやフライドチキン、スナック菓子など、私たちが「美味しい」と感じる身近な食べ物にトランス脂肪酸は含まれているからです。 それもそのはず。トランス脂肪酸を含む油は、ファストフードやお菓子の「さくっ」とした食感を作ります。また、バターや植物油などと比べると、格段に日持ちする上、安い。トランス脂肪酸を含む食品の代表選手であるマーガリンも、1869年、ナポレオン3世の時代に、庶民や軍隊のための「高価なバターの代用品」として考案され、2年後に今のユニリーバ社の前身となる企業が製品化したのに始まります。 私たち庶民がコンビニやスーパー、ファス