ワルファリンを代表とする第一世代の抗凝血性殺鼠剤は、単回摂取ではほとんど致死効力を発揮しないが、複数回摂取では顕著な累積効果が認められる。一方、ジフェチアロールを代表とする第二世代の抗凝血性殺鼠剤は、ネズミに対する毒性が極めて高く、単回摂取でも致死効力を発揮するが、これら薬剤の累積効果についての報告はほとんど見られない。マウスに対するジフェチアロールの累積効果については、第59回衛動学会大会時(2007)の殺虫剤研究班集会で報告した。試験は、所定濃度の投与液をマウスの体重10g当たり0.1mlの割合で金属製ゾンデを用いて直接胃内に投与する方法で行った。その結果、従来より認められていた単回摂取での致死効力に加え、単回摂取で十分な効力が得られない低薬量群において、0.5mg/kgの1回投与で死亡率が0%(0/6)、0.1mg/kgの5回投与で死亡率が33.3%(2/6)という累積効果が認められ