今年何度か参加した原発反対のデモの最中に、若い警官から、耳元でスピーカーで暴言を浴びせられたりすることがあって、疲弊した。その時は、他人を自分の思い通りに行動させるために、あれほど粗暴で憎悪に満ちた態度や言動がとれるということが、怖ろしくもあり奇異にさえ思った。どういう心理構造で、あそこまで抑圧的な行為に熱中できるのか? だが、後日気がついたのは、ああいう態度は、僕自身も日常的にとっているものだ、ということである。 たとえば、家で毎日、ベッドに寝たきりになっている母親の世話をしているのだが、世話をしているとき、自分の思い通りに体を動かしてくれなかったりすると、ちょうどあの警官達のような口調や態度で、怒鳴ったり粗暴な振る舞いをしたりする。 最近は、母自身がそれに対して怒りをあらわにしたり(これまでにあまり無いことだった)、デモでそんな体験をした影響もあって、自分がやってることのひどさに気づい