AI開発競争で表出した超人思想、ニーチェは『ツァラトゥストラはこう言った』で何を語ろうとしたのか？ 『ニーチェ 哲学的生を生きる』の森一郎が語る、ニーチェの超人思想が意味するもの | JBpress (ジェイビープレス)

ニーチェの超人思想とは、ヒューマニズムを越える思想だという（写真：greenbutterfly/shutterstock） 高名なドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェは、『ツァラトゥストラはこう言った』という途方もなく謎めいた著作を残した。物語を通してニーチェが語ったことは、テクノロジーに飲み込まれてゆく現代世界を考えるうえで貴重な示唆を与えてくれる。私たちは、ニーチェとツァラトゥストラの言葉をいかに読み解くことができるのか。『ニーチェ 哲学的生を生きる』（青土社）を上梓した、哲学者で東北大学大学院情報科学研究科教授の森一郎氏に聞いた。（聞き手：長野光、ビデオジャーナリスト） ──「神は死んだ」というニーチェの言葉には、どんな意味が込められているのでしょうか？ 森一郎氏（以下、森）：ニーチェの最も有名な言葉ですね。高校の教科書にも載っているし、みんな知っているけれど、それがどういう意味なの