常見 陽平(以下、常見):私は今の日本は「オセロ社会だな」だと思っています。ホワイトだったのがあっという間にブラックになる。隅と隅を押さえると一気に真っ黒になっていくという。 神津 里季生(以下、神津):「オセロ社会」と表現されましたが、まさに悪貨が良貨を駆逐するようなことが起きました。企業は、値下げ競争に生き残るために「労働」を買いたたく。かつて日本の職場では、労働組合がなくても、横のつながりが大事にされてきましたが、そんな生ぬるいことでは競争に生き残れないと、分断が進んでしまいました。 常見:「分断」というのは日本だけでなく、世界的に社会が直面している課題ではないでしょうか。1990年代前半に、社会学者の宮台真司先生が「社会の島宇宙化」というコンセプトを提示して、未だに論考などに引用されています。インターネットが発達した世の中であり、それがつながりを媒介することを期待されつつも、正規と
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