震災ウツ――。またもや新しい用語が使われ出した。 直接大きな被害を受けたわけではないのに、何となくやる気が出ない、何となく疲れやすい、何となく眠れない……。こうした「何となく調子が悪い」人が、東日本大震災が起きた3月11日以降に増えているのだという。 「被災してもいないのに、調子が悪いだなんて。何を甘えたことを言ってるんだ!」 実際に被災して、今も苦しんでいる方たちには、こんなふうにしかられそうな話ではあるが、被災した方々に心を寄せれば寄せるほど、気持ちがへこんでしまうのが、震災ウツ特有の症状でもある。 毎日のようにテレビに映し出される津波の映像や被災した方々の様子。さらに余震に襲われるたびに、やるせない気持ちに襲われる。 「あんなに大変な状況に置かれている人たちがいるのに、自分だけ楽しんでしまっていいのだろうか」 「あんなに大変なのに、自分には何もできない」 こうした申し訳ない気持ちや無