1986年4月26日、ソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で深刻な原子力事故が発生した。今年の4月26日でちょうど30年となる。 史上最悪と言われた原発事故から30年、チェルノブイリは今や多種多様な動物たちの避難場所となっている。放射線による影響は野生動物の生息数を脅やかすことはなかったようだ。専門家によれば、むしろ狩猟や生息地の減少を心配する必要のないこの地では、野生動物が繁栄しているのだという。 シュクヴィリア氏はウクライナ国立科学アカデミーの狼の専門家であり、チェルノブイリの生態系を追い続けてきた数少ない人物だ。彼女はそこにある村の付近で狼の群れを発見した。 「昨年、春も終わる頃に訪れて、遠吠えを上げてみたら、あの丘の上から若い狼が遠吠えを返してきました」と満面の笑みを浮かべて彼女は語る。チェルノブイリの立入禁止地区では、人間がいないことから、タイリ