誕生から70年の歳月を経て、ゴジラがとうとう故郷に錦を飾った。『ゴジラ-1.0』が第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞し、「ゴジラ」シリーズとして初めて同賞にその名を刻んだのだ。世界の映画史における「ゴジラ」の重要性を考えれば、遅すぎた栄誉といえよう。『ゴジラ-1.0』は単に優れた映画というだけでなく、山崎貴監督が持つ芸術的ビジョンの集大成であり、そしてまた、時代とともに変化を続けるゴジラというキャラクターの柔軟性が、映画史上ほかに類を見ないものであることの証明でもある。 一方で『ゴジラ-1.0』の偉業は、ハリウッドが学ぶべき教訓をも授けた。35人という小さなVFXチームと、桁違いに少ない予算が、いったいどうやってハリウッドのブロックバスターに打ち勝ったというのだろうか? その答えのひとつは、この作品がCGエフェクトの描写において、明確に90年代的な手法を採用したことにある。 CGはいつ
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