サメにかじられ両前足が欠けた1頭のアカウミガメに義肢を付けて、海へ返そうというプロジェクトが進んでいる。中心となって進めているNPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪府枚方市)によると、ウミガメに義肢を付けるのは国内初で、関係者は義肢を付けたウミガメを大海原へ返そうと奮闘している。 このアカウミガメは、昨年6月に大阪湾南部で漁網にかかり、神戸空港島の人工海浜池に保護された。甲羅の長さは約74センチで体重約68キロ。外洋でサメに襲われたとみられ、前足は両方とも食いちぎられていた。「障害に負けず、いつか海を悠々と」との願いを込めて「悠」と名付けられた。 その後、水温の高い徳島県の日和佐うみがめ博物館カレッタに移されたものの、両前足のヒレ部分がないため遊泳能力は通常の約6割程度。放流すれば海を回遊するウミガメには大きなハンデで、再びサメに襲われれば逃げることができない。 このため、同法人のメンバー