新潟県糸魚川市の元中学教員、村山常雄さん(83)の著書「シベリアに逝(ゆ)きし人々を刻(こく)す」が、655編の応募作から今年度の「日本自費出版文化賞」大賞に選ばれた。 シベリア抑留中に死亡した日本人のうち約4万6300人分を10年がかりで名簿にまとめたもので、審査委員長の歴史家、色川大吉氏から「数十年の労苦で刻んだ、日本の出版の歴史に残るような記念碑的な作品」と高く評価された。 村山さん自身、第2次大戦後の4年間、シベリアに抑留された。1969年、20年ぶりにシベリアを訪ね、かつての戦友たちの草むす墓地を見つけ、「名を残すことで亡くなった戦友を弔おう」と決意した。 その後、墓参や調査で10回訪問。70歳を機に始めたパソコンを使い、ライフワークとして、約10年かけて抑留死者名簿を完成させた。うち約3万人は原資料のカタカナのほか、分かりやすいように漢字名も特定して併記した。 2005年夏から
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