放射性核種が体内に沈着した患者さん(傷病者)の処置は、吸収線量と将来の生物学的影響の低減化を図ります。これには2つの方法、 吸収と内部沈着の低減 吸収した核種の除去と排泄の促進 があり、いずれも被ばく後できる限り早い時期に開始する方が効果は大きくなります。 一般に治療の効果は、放射性核種が循環系に入っていない場合に最も高くなります。また、細胞内に取り込まれる(incorporation)前に行う必要があります。安定同位元素による希釈または阻害は、放射性核種の排泄率を高め、組織に沈着する放射性核種の量を低減します。放射性核種が既に標的組織または細胞に吸収されている場合、排泄促進効果は少なくなります。体内汚染の治療に際して最も留意する点は、 放射性核種に対する適切な薬剤の選択 被ばく後のタイミングのよい投与 です。また、放射性核種が酸、フッ素(六フッ化ウラン-UF6等)、水銀、鉛等との化合物で