社会構築主義批判2 ナラティヴ・セラピーとは,他者との会話の中において,語ることで自己をつくり,様々な問題を解決・解消しようとする心理療法である。ナラティヴ・セラピーの基本原理は,社会構築主義に基づいている。つまり,現実はコミュニケーションによって構築されたものにすぎないという世界観に基づいている。 そこで,社会システム論から,ナラティヴ・セラピーを分析してみたい。まず,コミュニケーションを重視する点において,社会システム論もナラティヴ・セラピーも変わりはない。しかし,社会システム論においては,コミュニケーションの主体は心(心的システム)ではない。確かにコミュニケーションは二つ以上の心的システムが必要であるが,コミュニケーションの送信者と受信者は,人格システムに帰属することになる。 このように,社会システム論では,心的システムと人格システムを分ける。言い換えれば,「思っていること」=心的シ
![ナラティヴ・セラピー批判 | 社会学玄論](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9df8e3215cbfb0c7e19a15888d0d729b8db2e515/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Flogo%2F1%2F200605%2F26%2F24%2Fb010682420060526161944.gif)