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ブックマーク / odd-hatch.hatenablog.jp (2)

  • 笠井潔「テロルの現象学」(ちくま学芸文庫)-1 左翼運動がテロリズムに傾斜していく理由について。「自己観念」の発生と欺瞞・背理。 - odd_hatchの読書ノート

    新左翼運動から撤退した著者がフランスにいって書き溜めた。それがこののもと。出版するところはなかったが、いくつかの奇縁が重なってエンターテイメント作家として小説を発表するようになり、あわせてこのも雑誌連載ののち加筆訂正されて1984年に出版された。のちに、さらに加筆されて2010年代に再販されたが、ここで読んだのは最近の加筆は入っていないちくま学芸文庫版。主題は、左翼運動がテロリズムに傾斜していく理由について。 序章 観念の廃墟 ・・・ 近代の革命(フランスからカンボジアまで)の革命政権が抑圧体制、テロリズム国家に変貌する理由を検討する。それは理論からの転倒ではなくて、理論に内在する観念の必然である。それを検討することが連合赤軍事件からカンボジア虐殺までの左翼の「退廃」を乗り越える契機となる。この国のテロリズム批判は埴谷雄高「幻視のなかの政治」、高橋和巳「内ゲバの論理はこえられるか」)

    笠井潔「テロルの現象学」(ちくま学芸文庫)-1 左翼運動がテロリズムに傾斜していく理由について。「自己観念」の発生と欺瞞・背理。 - odd_hatchの読書ノート
  • 宇井純「公害の政治学」(三省堂新書) 1968年に出版された新書。当時ほぼ唯一の水俣病のレポート。 - odd_hatchの読書ノート

    1968年に出版された新書。多くのページは水俣病の発生から1968年当時までの状況を主に新聞記事を使って紹介している。著者は1961年ころから個人的に水俣病の調査を始めているのだが、ここでは極力個人的な体験を後ろにおいている。新聞記事や委員会報告書などを使っているのは、客観的な記録を目指していることと、病気と地域から捨てられた漁民の生活の悲惨さを強調するためであるだろう。それは成功しているとはいえ、公害に対する著者の憤りはうしろに隠れていて、それはまた別ので読まなければならない。 (追記 2023/8/6 原田正純「水俣病」岩波新書の刊行は1972年。) さて、自分なりに重要な指摘を抜粋しておく。 ・この国の公害は明治時代後期から始まっている。足尾、別使銅山の鉱毒事件、日立の煤煙事件が有名であるが、そのほかにもいろいろある。 ・場合にもよるが、当時は民衆、一般者、貧困者の主張を認める結果

    宇井純「公害の政治学」(三省堂新書) 1968年に出版された新書。当時ほぼ唯一の水俣病のレポート。 - odd_hatchの読書ノート
    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2012/05/26
    「資本もステートもGDPとか企業利益の極大化を目指していたので、住民および住環境の問題は無視された。  こういう視点をもってこの国の経済史が書かれたとは思えない。」
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