静岡、長野県境にある兵越峠で22日に予定されていた恒例の「峠の国盗(と)り綱引き合戦」について、事務局の天竜区観光協会水窪支部(浜松市天竜区)は19日、悪天候の影響で中止すると発表した。 1987年に綱引き合戦が始まって以来、初めてという。 綱引き合戦は、浜松市民の「遠州軍」と長野県飯田市民の「信州軍」が綱引きで「領地」を争うイベントで、武田信玄の軍勢が峠越えして遠州に攻め入ったとの故事にちなむ。勝者が相手側に領地を1メートル広げるルール。過去2年、遠州軍は連敗しており、対戦成績は13勝17敗。 足元がぬかるんで、綱を力いっぱい引けないことなどから中止を決めた。事務局の井上保典さんは「期待の新人も加入し、3年ぶりの勝利が期待されただけに非常に残念」と話していた。