ウクライナ・リシチャンスクの破壊された教会=2022年7月(タス=共同)戦時下の文化遺産保護に関する国際フォーラム(ウクライナ文化情報政策省など主催)が今月8、9日の両日、キーウの会場と欧州などの専門家らをオンラインで結んで開かれた。非公開の専門家会合に日本から参加したICOM(国際博物館会議)日本委員会副委員長の栗原祐司氏に、文化財の被害状況や開催の狙いなどを聞いた。 --文化財の被害状況は 「セキュリティーの関係で、詳細は明らかにされていないが、侵攻から11カ月で1189点が被害を受けたと報告があった。破壊されたのは建造物や記念碑が中心で、公的な博物館内のコレクションは地下や国外へ避難したものが多いが、民間施設や個人コレクションから数万点が意図的に略奪されたという説明もあった。ロシアの占領地域の被害については把握できておらず、ブラックマーケットに流出している可能性も指摘されていた」