宇宙航空研究開発機構(JAXA)が平成28~29年に実施した医学系実験で捏造(ねつぞう)などの不正があった問題で、研究実施責任者を務めた古川聡宇宙飛行士が戒告の懲戒処分を受けた。 宇宙飛行士は子供たちのあこがれの対象だ。古川氏は実験不正に直接関与していないとはいえ、現役の宇宙飛行士が懲戒処分を受ける事態は残念でならない。 JAXAは日本の宇宙開発の中核であり、科学技術を牽引(けんいん)すべき組織でもある。宇宙開発、科学技術への期待と信頼を裏切る重大な問題である。 不正があったのは、宇宙基地のような閉鎖空間での長期滞在によるストレスを把握する実験で、平成28~29年に実施された。研究者2人が、データを書き換えたり存在しないはずのデータを作ったりしていた。 JAXAは、第5回試験(29年11月)で起きた検体の取り違えをきっかけに内部調査で問題を把握し、令和元年11月に理事長判断で研究を打ち切っ