浮き彫りになったのは自衛隊員の人権を軽視した問題にとどまらない。沖縄を含む日本を命がけで守っている隊員への敬意を欠いた点も見過ごせない。 自衛隊駐屯地の開設などにより沖縄県石垣市の人口が初めて5万人を上回ったことについて、地元紙の八重山毎日新聞が自衛隊員とその家族を同市の人口に含めることに批判的な社説を掲載した。 同紙19日付社説は、「『自衛隊のおかげで5万人に達した』などと言われたら素直に喜べないのが一般市民の受け止めではないか」とし、「自衛隊員、家族は(人口5万人に)含めずに公表すべきではないか。そんな意見があってもおかしくない」と論じた。 自衛隊員と家族を除いて人口を示すのは暴論で、自衛隊への尊重の念もない。極めて残念だ。 自衛隊を支援する市民有志でつくる八重山防衛協会は「自衛隊員や家族を市民と認めないと言っているばかりか、職業差別を助長させかねない論調」として抗議した。同紙は20日