タイ上下院は22日、やり直しの首相指名選挙を行い、新首相にタクシン元首相派「タイ貢献党」所属の元実業家、セター氏(61)を選出した。5月の下院総選挙以来続いていた政治空白は解消されるが、王室改革などを掲げて躍進した第1党「前進党」を除外した連立政権が誕生することになり、市民の反発拡大は必至だ。 首相指名選挙に先立って貢献党は親軍政党2党を含む11党での大連立で合意。上下院で過半数の票を得た。 下院総選挙で第2党となった貢献党は、当初は前進党と連立協定を結んだ。7月の1回目の首相指名選挙で前進党のピター党首を統一の首相候補としたが、前進党の急進的な政策に反発する親軍派上院議員の抵抗で選出に失敗。その後、貢献党は自党からの首相選出を目指し、親軍政党との連立に踏み切った。 親軍政党との連立で暗躍したのは、汚職罪などで実刑判決を受けて国外逃亡中だったタクシン氏とみられる。タクシン氏は自派が政権の一