戦後80年にあたり、天皇陛下が慰霊の旅を始められた。その最初の地として、皇后陛下とともに先の大戦(大東亜戦争)末期の激戦地である硫黄島を訪問された。 日米で計約2万9千人が戦死した硫黄島には今も多くの日本軍将兵の遺骨が眠っている。硫黄島の日本軍将兵は、ここが陥落すれば米軍による日本本土への空襲が激化すると知っていた。日本を守ろうと懸命に戦って散華したのである。 天皇陛下が行幸で英霊を慰められた意義は極めて大きい。陛下と心を一つに、国民も鎮魂の祈りを捧(ささ)げたい。遺骨収容に全力を挙げなくてはならない。 上皇陛下も在位中の平成6年、慰霊のため上皇后陛下と硫黄島に赴かれた。天皇陛下は上皇陛下の時と同様に、英霊を祀(まつ)る天山慰霊碑や、日米両軍の将兵を悼む鎮魂の丘などを巡り花を手向けられた。遺族や元島民の子孫らとも懇談された。 天皇陛下は今年、沖縄、広島、長崎も訪問される見通しだ。2月の記者
