田中直紀防衛相は15日のNHK番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和問題と、武器禁輸政策の見直しを取り違え、誤りに気付かなかった。与党内には「安全保障の専門家でなく答弁が心配」との懸念が出ていたが、早くも「素人ぶり」を露呈した格好だ。 番組で司会者が武器使用基準緩和の是非を聞いたところ、田中氏は「武器輸出三原則の基準を見直し、国連平和維持活動(PKO)で使った建設機械はその国に置いていくことも検討している」と述べ昨年末に官房長官談話で発表した武器輸出の新基準を説明した。 司会者は「武器を使って安全を確保する基準の緩和には積極的か」と問い直したが、田中氏は「積極的でも消極的でもない。官房長官が発表した基準を具体的にどうするか防衛省も検討する」と述べ、最後までかみ合わなかった。 田中氏は番組後、秘書官に誤りを指摘されたとみられ、記者団に「武器携帯と三原則は全然、別のことだ」と述べた。