移動図書館車で作業する館長時代の前川さん(右端)=1960年代、日野市で(いずれも日野市立図書館提供) 日野市立図書館の初代館長の前川恒雄さんが十日、八十九歳で亡くなった。今でこそ、図書館が市民に本を貸し出すのは当たり前だが、一九六〇~七〇年代に実践し、モデルをつくったのが前川さん。「市民が自由に本を借りて読めることが民主社会の基本で、それを支えるのが図書館」との信念を貫いたという。 (松村裕子) 当時の図書館は、市民が見て回れる書架はなく、希望者には書庫から本を出して閲覧してもらうのが一般的だった。日本図書館協会の職員だった前川さんは六五年、後に日野市長になる上司の有山〓(たかし)さんの誘いで市立図書館長に就任すると「何でも、いつでも、どこでも、誰でも」を目標に掲げた。
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