アメリカ合衆国大統領として自らも指導者の地位に立ったリチャード・ニクソンが、彼が直接交流し、外交の場面で渡り合った各国の指導者の姿を描き、偉大な指導者とは何かということを考察した本。 取り上げられているのは、ウィンストン・チャーチル、シャルル・ドゴール、ダグラス・マッカーサー、吉田茂、コンラート・アデナウアー、ニキタ・フルシチョフ、周恩来である。フルシチョフの章にはレオニード・ブレジネフが、周恩来の章には毛沢東と蒋介石も、対比するように描かれている。1913年生まれのニクソンから見ると10歳から一世代上の指導者たちである。 いずれも歴史に名を残す指導者たちであるが、その政治的な業績に対する分析というよりは、指導者としてどのように振る舞い、どのように考え、どのように決断したのかを中心に考察している。 本書が何よりも貴重なのは、ニクソンがこれらの指導者と直接会い、彼らの人となりを直接感じた上で