9.第8世代「K8(前期)」:ハード、ソフト両方でインテルを超えたAMD K7でインテルとのハードウェア互換の鎖から自らを開放し、独自イノベーションの自由を見事に勝ち取ったAMDは、そのイノベーションの照準をソフトウェア・エコシステムに向けた。 当時32ビットのPCサーバー用CPUの市場を完全に独占していたインテルは慢心しきっていた。インテルが「Itanium(アイタニアム)」CPUで構築しようとしていたIA64は、従来の32ビットx86のソフトウェアベースを、バイナリ互換性のないインテル主導の64ビットシステムにいきなり移行する計画である。これによって、ハード、ソフトの両方の世界での主導権を一気に握ろうというインテルらしい大胆なやり方ではあったが、いかんせん顧客からの受けが悪かった。しかも、肝心のItanium CPU自体の開発は遅延に次ぐ遅延。この状況を苦々しく思っていたのは、インテル