JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版はブログ版よりもルビ多めです。) 夢を見た。 学校へと向かう、いつもの電車の中。 既に眠りの中だと言うのに、なぜか夢の中でも眠り込んでしまっていた。 気づけば、いつもの駅を乗り過ごし、夢の中でハッと目を覚ました。 見渡すと、そこは見知らぬ山の中だった。そして、一面が紅葉の絶景だった。 動画や写真の中でしか見たことのない――否、それ以上に極上で、胸に迫る、圧倒的な秋色の稜線。鮮やかな、朱と黄金のモザイク模様。 電車の窓という窓が、その景色で埋め尽くされていた。 電車がレールを進むたび、朱金の木々が、わずかに角度を変えながら、横に流れていく。 硝子一枚隔てた向こうは、色鮮やかな紅葉黄葉(こうよう)の洪水。 まるで、絢爛豪華な万華鏡の中を、電車の速度でくぐり抜け