近藤昭二『誰も知らない「死刑」の裏側』 ——郷田マモラ『モリのアサガオ』にもふれて 仕事で出張したとき、空き時間に本屋に寄ったのだが、そのとき裁判員制度を考えるというようなコーナーで平積みにされていた、まったく「ふらり」と手にした本。 いろんな意味で「面白い」本だったのに、アマゾンのレビューもネット上の書評もあまりなく(読売新聞2008年8月6日付の夕刊でとりあげられているようだが)、もったいないという感じがした。もともと1998年に刊行されたが、裁判員制度を前にして改訂・改装して再び出されたもののようである。いい本だと評価する編集者がいて、この流れの中で再度売れるかもしれないとふんだのであろう。 オビには「2009年、裁判員制度が始まる! 死刑判決の実態、死刑囚の獄中生活、死刑執行の詳細……この事実を知らずして、死刑を含む裁判の場に一般市民が望めるのか!」とある。ブラフだ(笑)。まあ、あ