「沖縄核密約」を背負って 若泉敬の生涯 作者: 後藤乾一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/01/23メディア: 単行本 クリック: 38回この商品を含むブログ (18件) を見る 本書の主題は,いわゆる沖縄核密約の舞台裏ではなく,国際政治学者としての若泉敬,その人の生涯にわたる生き様にある.日本を代表する国際政治学の泰斗として学問においても,外交の現場においてもさらなる活躍が期待されていたはずの若泉は,沖縄に対する贖罪の念とともに,故郷の鯖江に隠棲し,凄絶な晩年を送った.密約交渉の事実を明らかにする著作『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』をまとめ,二人の息子と絶縁し,自裁の覚悟をもって沖縄戦没者墓園でひたすら祈る若泉.その生涯の背景にあったものは何か. 東大法学部を卒業し,現在の防衛省の前身である保安庁に保安研修所の教官として就職.さらに,ロンドン大学,ジョンズ・ホプキンス大学へ長