川口市西川口のアパートで3月、住民の無職、小沢正明さん=当時(73)=と妻の千枝子さん=同(77)=が殺害された事件で、祖父母を殺害し金品を奪ったとして、強盗殺人罪などに問われた少年(18)の裁判員裁判初公判が15日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で開かれた。少年は起訴内容を一部否認、「祖父母の殺人について母親と話し合いがあった」と述べ、夫妻の次女で少年の母、立川千明受刑者(42)=強盗罪などで服役中=に殺人を指示されたと主張した。 冒頭陳述で検察側は「凶器の事前準備などがない」として母親による殺人の指示を否定した。一方、弁護側は「少年は母親らからの虐待で、殺人の指示にも従わざるを得なかった」と主張。少年には刑事処分よりも保護処分が相当だとし、少年院などでの再教育を求めた。