千葉県柏市で昨年5月、当時2歳10カ月の小坂蒼志ちゃんが餓死した。両親と姉2人との5人家族。次女(7)も栄養失調状態だった。この事件で保護責任者遺棄致死罪などで母親(28)は懲役7年の判決が確定し、父親の無職、小坂雄三被告(40)は今月13日、懲役12年が求刑された。千葉地裁での公判で明らかにされたのは、歪んだ「育児論」と、それに押しつぶされる子供たちの凄惨な姿だった。判決は20日に言い渡される。(杉侑里香、鈴木美帆)空腹でプラスチックも口に 「長男が呼吸をしていない」。事件の発覚は昨年5月26日未明、母親からの119番だった。 やせ細った蒼志ちゃんは病院に運ばれたが、まもなく死亡。体重は同世代の男児の平均である約13キロの半分以下の5・8キロしかなく、低栄養状態による餓死と診断された。蒼志ちゃんの体内からは、空腹のあまり口にしたとみられる大量の段ボールやプラスチック片が見つかった。 司法