少々マニアックな話なのだが、今回は環境公益訴訟のテーマを取り上げたい。 8月18日、中国で目下審議中の「環境保護法修正案(第二次草案)」のパブリックコメント募集が締め切られた。実はこの環境保護法修正案について、司法の後退であるという厳しい批判が出ている。 というのも、この修正案では、公害の責任を問う「環境公益訴訟」を提訴できるのは政府系NGO中華環境保護連合会およびその下部組織の省レベルの環境保護連合会だけに限るとなっているからだ。 つまり民間のNGOが公益訴訟に参加できなくなる。深刻化する公害状況を被害者に代わって告発することのできるほぼ唯一の方法である公益訴訟は、今でも「司法ショー」にすぎないと公益訴訟に携わる弁護士自身が自嘲気味に語るが、ここからさらに民間組織が締め出されるとなると、司法による公害の克服の道はほぼ絶望的になるのではないか。中国の公害問題と公益訴訟について今回は紹介した