熊本県で54人が死亡したのを始め、日本全国に豪雨被害が広がっている。被災者の方々にはお悔やみ申し上げたいが、私が日々ウォッチしている中国の豪雨被害は、日本の比ではない規模で進んでいる。その中心にあるのが、中国の「母なる大河」長江(揚子江)の氾濫だ。 三峡ダム、完成後最大の危機 「三峡ダムが決壊する!」 主に台湾メディアが、このところ「三峡ダム決壊説」を報じていて、それが一部の日本メディアにも伝播している。 台湾メディアでは、「三面挟攻」(サンミエンジアコン)という表現を使っている。空から降ってくる豪雨、長江の上流から流れてくる激流、それに三峡ダムの放水による「人工洪水」という「三面からの挟撃」に遭って、武漢や上海など、長江の中下流地域が甚大な被害に見舞われるというのだ。そして「三面挟攻」の結果、「そもそも50年しかもたない三峡ダムが決壊するリスクができた」と報じている。 逆に中国メディアは