この金融不安は、アジアを直撃する――。そのことをまるで米国が自覚しているかのように、アジアの多くの国が祝日の9月15日に、米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻が発表された。 9月15日。日本は敬老の日、中国、香港、韓国、台湾は中秋節で休日だった。米政府がファニーメイ(米連邦住宅抵当公社)とフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の2社に最大2000億ドルの救援策を発表した時も、9月7日の日曜日だった。 今回、休日ではなかった国を見ると、成長著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)を構成するブラジル、ロシア、インドの株式市場は、軒並み下落した。ブラジルのボベスパ指数が7.6%、ロシアのMICEX指数は6.2%、インドのSENSEX指数は3.4%の下げを見せた。いずれも金融株の下げが大きかった。 一方、1日の時間的余裕が与えられたアジア各国は、機敏に市場対策に向かった。台湾は、16日