世界が見守る中国恒大集団の債務危機問題。誰もが深刻な状況を認識し、また、当局も対応に追われている。だがその裏で、この出来事に「ある政治的要因」が絡んでいるとの噂もある。民営企業を国有化不可避な状況に追い込むため、習近平国家主席が金融機関に恒大への資金供給を断つよう指示、背後にいる一定の政治勢力を排除しようと動いているという。どういうことか。 【関連記事】急増する中国債券デフォルト…「重災区」と化した不動産業界 不動産業界全体が「重災区」に 恒大問題は1つの象徴で、業界全体が業況や資金調達面で厳しい状況に直面している。2021年1〜9月、開発業者が発行した債券のデフォルトは468億元、20年通年の2.6倍にのぼる一方、新規発行は7689億元(前年同期比21%減)、20年通年発行規模の63%に止まっている。 不動産融資伸びも傾向的に鈍化(図表1)。1〜9月の大手100開発業者に対する新規融資は