映像情報メディア学会誌,Vol.57,No.1 (特集 ロボット),pp.50-52,2003. ロボットの機構と制御 -ホンダ・ヒューマノイドに関する考察- 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 荒井 裕彦 1.はじめに - P2の衝撃 ここ数年のロボットブームの原点は,やはり1996年末のホンダによるヒューマノイドP2の発表と言えるだろう.発表直後の日本ロボット学会誌1997年1月号を取り出して見ると,既に決まっていた表紙をP2の写真に急遽差し替え,元の表紙は会誌の途中に挿入されるという状態で,当時のロボット研究者に与えた衝撃をうかがわせる. 本特集にもヒューマノイドに関する解説記事がいくつか含まれているが,本稿では個別の技術ではなく表題の「ロボットの機構と制御」という切り口から特にホンダのヒューマノイドについて考えることを通じて,ロボット研究の特質についてふれてみたい. 2.なに