ソニーケミカルを出自とするデクセリアルズは、シェア90%以上のドライ式反射防止フィルムにAIアルゴリズムベースの外観検査を導入するなどスマート工場プロジェクトを推進している。 半導体や液晶ディスプレイといった電子デバイス市場でのシェアが低下して久しい日本の製造業だが、製造装置や材料では優位な技術を持った企業が多数存在している。2021年から熱を帯び始めた政府による先進半導体分野への投資でも、製造装置・材料メーカーへの支援の姿勢を鮮明にしている。 デクセリアルズは、これら電子デバイスの製造に用いられる材料で存在感を発揮している企業の一つだ。ソニーの電子材料部門だったソニーケミカルが、日本政策投資銀行(DBJ)などの出資によりスピンアウトする形で2012年10月に独立した。光学フィルムや異方性導電膜(ACF)、光学弾性樹脂(SVR)、表面実装型ヒューズなどを主力製品として展開してきたが、201