ここ数年、各国において極超音速兵器(Hypersonic Weapons)の開発が進んでいる。ロシアの「アバンガルド(HGV)」は、2019年12月に実戦配備されたと報じられている。 ちなみに、ロシア国防省は3月18日にウクライナへの攻撃で極超音速ミサイル「キンジャール」を実戦に投入したと発表した。 しかし、「キンジャール」は地対地短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」を航空機搭載用に改修した「空中発射弾道ミサイル」であるとして、極超音速兵器に分類するのには専門家の間で異論がある。 筆者も「キンジャール」を超音速兵器に分類するのに反対である。なぜなら、定義によれば、マッハ5以上で飛行する極超音速兵器とは次の2種類を指すからだ。 一つは、ロケットから発射され、標的に向かって滑空する極超音速滑空弾(HGV:hypersonic glide vehicle)。 もう一つが、標的を捕捉した後、高速の