福島第一原子力発電所では、放射性物質を含む汚染水を浄化設備で処理し、処理後の水をタンクに貯蔵しています。 汚染水に関するニュースでは、「凍土壁」「サブドレン」「トリチウム」など、あまり聞き慣れない用語が出てくることが多く、わかりにくい面があるかもしれません。「福島第一原子力発電所の汚染水問題とは?」「『トリチウム水』とは?その性質や現状は?」を中心に、汚染水をめぐる状況を解説します。 原子力発電所では通常、運転に伴い発生した放射性物質のほとんどが原子炉圧力容器内の燃料棒の中に閉じ込められています。しかし、福島第一原子力発電所では事故により燃料棒が溶融し、原子炉圧力容器およびその外側にある原子炉格納容器内で発生した「燃料デブリ」(※1)に含まれる放射性物質(セシウム、ストロンチウム、トリチウムなど)が燃料デブリの冷却水と触れ、「汚染水」となりました。さらに、その汚染水が原子炉格納容器の中だけ