数カ月前から続いている中国のエネルギー危機が、ますます深刻化している。石炭と天然ガスの価格が過去最高値を更新するなか、まもなく全国的な気温低下が予想されるためだ。 緊急措置としての電力配給制度はいまだに実施されており、氷点下の冬が近づくなか、多くの家庭や工場で、電力が断続的に供給されなくなるおそれがある。サプライチェーンの物資不足、インフレ、国民の不満はさらに悪化すると予想される。習近平主席の政治体制への影響は未知数だ。 なぜこんなことになったのか? 数々の要素が重なった、まさにパーフェクトストームによるものだ。国内の主要石炭産地の省で発生した洪水、パンデミックの状況改善を受けた中国製品需要の復活、中国共産党の矛盾したエネルギー政策、電力配給や価格統制といった極端な市場の歪みなどが、すべてエネルギー不足の原因になっている。 世界的にみても、極端な異常気象、生産の減少、グリーン発電への過度の