急激な円安によって一時1ドル=150円を超え、日本円の価値はわずか半年で30円近くも下落した。一時的に円高方向に動いているようにも見えるが、日本の国力そのものが低下したことで、“魅力のない国・日本”の通貨が売られて価値が下がり、他国から見向きもされなくなったということだ。 実際、いまの日本には、エネルギーも食料も、何もかも足りていない。割を食うのは当然、私たち日本国民だ。 インフレが起これば、物価の上昇とともに賃金が上がるのが世界の常識だ。だが、日本は、世界でも唯一の「30年間賃金が上がらない国」。国税庁の民間給与実態統計調査では、日本のサラリーマンの平均年収は、ピークだった1997年を一度も上回っていない。経済評論家の加谷珪一さんが指摘する。 「日本のインフレ率が低いのは、コロナ対策の影響などではありません。単純に、日本経済だけが30年間著しく不景気で賃金が上がらないから、物価も上がらな