「ベーシックインカムが貧困を解消する ― 生活保護よりすべての人に基礎給付を」 原田泰(はらだゆたか)/中央公論2010年6月号 こういう立場の人からもベーシックインカムが出てくるようになったのか、という論が現れた。中央公論2010年6月号に、原田泰氏が書いた「ベーシックインカムが貧困を解消する」である。 原田氏は、大和総研専務理事チーフエコノミストである。エコノミストらしいエコノミストといったらわかりやすいであろうか。経済の広い範囲にわたって発言のある人である。 この論の書き出しは、「これまでの日本の生活保障は、企業が中心になってきた。しかし、日本の企業はそのような重荷に耐えかねるようになっている。そもそも、企業とは利益を得て、税金を払う組織であって、そこに共同体的な役割を担わせようというのは無理がある。むしろ、政府が直接、人々の生活を保障したほうがよいのではないだろうか」 これは、日本