これまで電気モーターボートの代表格と言えば、ダフィーボートだった。その生みの親として知られるダフィー・ダッフィールドは、数十年もの間ダフィーボートを作り続け、年間数百隻を販売してきた。アメリカ中のヨットハーバーでは、ほろ酔い加減の観光客を乗せて時速8キロほどでゆったりと運行するダフィーボートの姿を見ることができる。 しかし最近、シアトルのスタートアップ、「Pure Watercraft(ピュア・ウォータークラフト)」の創業者アンディ・レベルが、電気モーターボート業界に革新をもたらした。ダフィーボートがゴルフカートか日産リーフのようなものだとしたら、レベルが生み出した製品は“モーターボート業界のテスラ”に例えることができる。 「アンディが開発した船外機は史上最高にクールで、たまらなくエキサイティングだ」とダッフィールドも絶賛する。この船外機は環境にも優しく、驚くほど静かだ。筆者はある晴れた朝