10万人以上の犠牲者を出した関東大震災から今年でちょうど100年。9月1日の「防災の日」に合わせて大震災の被害想定と復興のあり方を考える企画。前回の首都直下地震に続き、今回は死者・行方不明者32万人とされる「南海トラフ巨大地震」の被害想定と日本の国づくりについて考えてみたい。(JBpress編集部) 【第1回】「発生確率70%の『都心南部直下地震』、死者6000人超の被害が想定される惨状」を読む 南海トラフ被害は全国に拡大、影響は海外にまで及ぶ この先起こりうる天災による日本全体の被害想定を見ると、やはり心配なのは「南海トラフ巨大地震」の発生だ。首都直下地震では直接的な被害が東京圏にとどまるのに対し、南海トラフは日本全体が打撃を受けるほか、輸出入低下など世界的な影響も懸念される。 内閣府の『南海トラフ巨大地震の被害想定について』(令和元年)によると、その被害の実相は想像を絶するものがある。