パレスチナ自治区ガザで激しい攻撃を続けるイスラエルと、ガザを実効支配するハマスが「ラマダン(断食月)」期間中の停戦に向けて大詰めの交渉を続けています。激しい戦闘の結果、ガザ地区の死者は女性と子どもを中心に3万人以上に達したとされています。今年のラマダンは3月10日ごろから4月9日ごろまで。この間、イスラム教徒が断食することはよく知られていますが、そもそもイスラム教徒にとってラマダンはどんな意味を持つのでしょうか。ガザの現状を含めて、専門記者グループのフロントラインプレスがやさしく解説します。 (フロントラインプレス) 「ラマダン」の時期は毎年変わる ラマダンとは、イスラム教の暦(ヒジュラ暦)で9番目に当たる月の名称です。預言者ムハンマドが最初に神(アッラー)の啓示を受けた「聖なる月」でもあります。この期間中、イスラム教徒は日の出から日没まで、水を含めた一切の飲食を禁じられています。喫煙や性