沖縄のビール缶屋敷カンカラヤー 「アルミカンドリーム:ホームレスの夢のまた夢ホーム あるいは夢のマイホームをタダ同然で手に入れる方法」 『新製品民俗学』2(2007.2), pp.112-115 この空き缶ハウスをつくるのにもちいたアルミ缶は大小とりまぜて1万8千個にのぼる。路上生活をおくるひとりの男が、三ヶ月ちかい日数をかけて廃品の空き缶のなかから完形品だけをこつこつとあつめ、公園の水道でひとつひとつ丹念に洗浄したうえ、市販の金属ボンドをもちいて組み上げたものだ。 もっとも、空き缶を闇雲に積み上げれば家ができるというほど話は単純ではない。丸いアルミ缶を接合する際のわずかなズレは、積み重ねるほどに大きな狂いを生じる。その結果、壁の高さが人の身長ほどにもなると、まっすぐ自立することさえ困難な状況にたちいたってしまう。これに対して、男の編み出した解決法は、あらかじめ空き缶で柱と梁をこしらえ