大正2(1913)年建築の京都大「吉田寮」(京都市左京区)は、小説家・梶井基次郎やノーベル賞を受賞した赤崎勇博士も暮らした、国立大で現役最古の学生寮だ。その吉田寮が揺れている。大学側は老朽化による危険性を指摘し、9月末までの全員退去を求め、寮生は反発。寮生側は、歴史ある寮について広く知ってもらおうと、「吉田寮ツアー」を始めた。一般には近寄りがたい、入りづらいといったイメージがある吉田寮。木造建築の中には、社会とは違った時間が流れているような空間が広がっていた。(池田祥子) 築105年の異空間 ツアー開始に先立ち吉田寮旧棟内を訪ねた。 京都大吉田キャンパスの敷地内の南側にたたずむ古い木造2階建ての建物。「京都大学 吉田寮」と記された木造看板が掲げられた入り口に近づくと、玄関脇の小部屋から寮生が奏でるピアノのメロディーが流れてきた。 旧棟は、玄関や共有スペースがある管理棟と、寮生が生活する3棟
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