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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (7)

  • 日経平均「ほぼ史上最高」を喜べない2つの理由

    <今回の株高は日の実体経済への寄与はほとんどなく、外国人投資家が「この先の円高」を見越して日株を仕込んでいることが考えられる> 連休明け13日火曜の東京市場で、日経平均株価(225種)は一時1100円以上上昇し、取引時間中(ザラ場)の高値としては、1990年1月以来、約34年ぶりに3万8000円台を付けました。この日の終値は、3万8000円を少し下回ったものの、この勢いなら1989年12月29日の史上最高値(3万8915円87銭)を更新する可能性も指摘されています。 久しぶりに景気のいい話のように聞こえますが、冗談ではありません。この話題自体がちっとも喜べない内容だからです。2つお話したいと思います。 1つは、この「ほぼ史上最高値」という数字は、どう考えても「国際基準では評価できない数字」だからです。まず、ドル換算をして比較してみると、1989年12月のドル円は、1ドル=142円程度で

    日経平均「ほぼ史上最高」を喜べない2つの理由
  • トランプの対中貿易戦争は、共和党も民主党も暗に支持している

    <メキシコへの追加関税の脅しは取り下げたトランプだが、中国との貿易戦争はそう簡単には解決しない> 5月30日に突然トランプ大統領は、メキシコに対して「不法移民対策を強化しないと、全ての輸入品に5%の関税をかける」と宣言、その後も事態が改善しない場合は、25%まで関税をアップすると言い始めました。 この問題は、メキシコが反発しただけでなく、アメリカ国内でも猛反対に遭いました。野党の民主党だけでなく、与党の共和党でも、上院議員が結束して反対を始めたのです。反対の急先鋒はテッド・クルーズ議員でした。 クルーズ議員といえば、2018年の中間選挙の際に落選の危機に見舞われ、かつての宿敵トランプ大統領に頭を下げて応援演説に来てもらい、僅差で当選したのが記憶に新しいところです。そのクルーズ議員ですが、仮にメキシコとの間で「追加関税合戦」が勃発すると「テキサスの農業は壊滅的」になるとして反対したのです。ま

    トランプの対中貿易戦争は、共和党も民主党も暗に支持している
  • 「育休パタハラ」を生み出すのは日本企業の転勤制度

    <現状の日企業の行き詰まりを解消するには、終身雇用と転勤制度をセットで止めるしかない> あるツイートが拡散されて話題になっています。 「改めて決意 夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。 いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。 私産後4か月で家族4人を支えます」 つまり「育休を取得した夫が復帰直後に転勤を命じられ、退職した」という内容です。他のツイートから企業名が特定され、その企業に対して批判が殺到したり、これは「パタハラ(パタニティ〔父性〕・ハラスメント)」だという評価もされているようです。 企業側としては心外かもしれませんが、育休復帰の2日後に転勤内示というのは、労働者の側としてはハラスメントとしか言いようがありません。

    「育休パタハラ」を生み出すのは日本企業の転勤制度
  • オバマ政権がイランへ支払った17億ドルの意図とは何か | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <イランとの核合意の後にオバマ政権が支払った「清算金」は17億ドルに上っていたことが発覚。合意後の対イラン関係を重視するのはわかるが、それも含めて中東外交の大方針を説明していないことは問題>(写真は今週ラオスで開催された東アジアサミットに参加したオバマ) アメリカのオバマ政権は、ケリー国務長官を中心としてイランとの「核合意」を推進してきましたが、そのプロセスの一環として、6億ドル(約600億円)の「キャッシュ」をイランに支払っていたことが明らかになっています。 これには保守派からかなり非難が出ていたのですが、今回イランに渡った総額は6億ドルではなく、全部で17億ドル(1700億円)に上ることが明るみになりました。国務省もこれを認めています。 国務省によれば、このカネは1978~79年にかけて発生したイラン革命「以前」からの経緯として「イランに対するアメリカの負債」の清算金だというのです。つ

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  • トランプ支持者が抱える、ある深刻な分裂

    <当初からトランプを支持してきた「民主党的」政策を求める支持者と、選挙戦終盤から勝ち馬に乗った「共和党流」の間には、志向する政策上、深刻な分裂がある>(写真:今月11日に就任直前の会見に臨むトランプファミリーと政権以降チーム) トランプ政権の発足にあたって、非常に気になる点が1つあります。それは大きく異なる2つの支持層に支えられているということです。 政権運営が好調に推移すれば、この点は大きな問題になることはなく、任期を過ごしていくこともあり得ます。ですが、何か大きな壁にぶち当たるのであれば、この支持層にある「分裂」という問題は大きく立ちはだかり、支持率を低下させ、政権求心力を失うことにも繋がりかねないものです。 まず、トランプ氏の「コアの支持層」、つまり選挙戦の初期から支持をしてきた層の期待感というのは、次のようなものです。 ・アメリカ国内に力強い雇用を回復してほしい。 ・医療保険改革

    トランプ支持者が抱える、ある深刻な分裂
  • 「夫婦別姓議論」に時間をかける余裕はない

    いわゆる「夫婦別姓反対論」の問題については、以前にもこの欄で「アメリカの宗教保守派」との比較をしながらお話をしました。 アメリカの保守派が「家族という価値」に固執する姿勢は、一見すると日の保守派が「家族制度」に固執する態度に似ているようですが、日の場合は「世代間の価値観論争」という面が強く、そのために意識改革に時間がかかっている議論です。 今週、日の最高裁は「夫婦同姓を定めた民法は合憲」という判断をしましたが、保守的な最高裁としては予想できた判決である一方、このままこの調子で議論に時間をかけていていいのかという疑問があらためてわいてきました。 前回お話したように「世代」が絡んでいるという理解は、事実認識としては間違っていないと思います。ですが、世代の問題だから時間をかけて解決するということでは、改革に時間がかかり過ぎると思います。 例えばアメリカの場合ですと「同性婚」の問題が賛否両論

    「夫婦別姓議論」に時間をかける余裕はない
  • 「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったのか?

    大阪市に関する「市の解体と5区の設置」を問う住民投票は否決に終わりました。橋下徹市長は政界引退を表明し、同時に江田憲司・維新の党共同代表も辞任するという声明を出しています。これは、大阪の府市合併論が行き詰まっただけでなく、「維新」という政治勢力の行き詰まりでもあります。 私は「維新」、特に「大阪維新」に関しては、大阪以外の地方の活性化に応用できる点が少ないことや、大阪の実体経済成長への計画が具体的でないことから、積極的な支持はして来ませんでした。ですから、今回の「行き詰まり」に関して大きな感慨はありません。 ですが、1つだけ気になることがあります。それは「維新」とは「小さな政府論」だったということです。 日には「右も左も大きな政府」という政治風土があります。まずリベラルな立場には福祉の充実や再分配による格差の是正など「大きな政府論」が根にありますが、これは世界各国ほぼ共通の現象だと思い

    「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったのか?
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