(前回から読む) 先進国の金融緩和の危険性、副作用については、議論されているのでしょうか。 河野:この対談の2回目で、各国でバブルが起こっているという話をしました。加藤さんも指摘されましたけど、ここ数年、まさにショックに対する中央銀行のアグレッシブな政策が、次なるバブルを醸成し、次なる危機を引き起こすということが繰り返されています。そろそろ、ほかの国に甚大な影響を与えるような大国は、極端な金融政策をやってはいけないという議論を始めないといけないと思っています。 大国は極端な金融政策をとるべきではない 理論上は、管理通貨制度の下では、為替レートの変動でほかの国の金融政策の効果は遮断されますが、実際にはそうなっていません。 結局、アメリカがアグレッシブな金融緩和をすると、多くの国は自国通貨の上昇を避けたいが故に、金融緩和が長期化し、固定化します。そのことで、さまざまな不均衡が起こっているのです