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ナショナリズムの検索結果281 - 320 件 / 1555件

  • ツイッター、中国高官の加工画像削除せず 豪首相の要請退け

    中国・北京での定例記者会見に臨む外務省の趙立堅報道官(2020年4月8日撮影、資料写真)。(c)GREG BAKER / AFP 【12月2日 AFP】中国高官が、オーストラリア軍に関連する扇動的な画像をツイッター(Twitter)に投稿した問題で、同社は1日、豪からの削除要請を退けた。 11月30日、中国の趙立堅(Zhao Lijian)報道官はツイッターに、豪の兵士に見える人物がアフガニスタンの子どもの喉に血まみれのナイフを突き付けている加工画像を投稿。これを受けて豪政府は激しい怒りをあらわにした。 この数日前には、オーストラリアの検察当局が、2005~16年にアフガニスタンで豪兵士19人が犯したとされる戦争犯罪について、捜査を開始したと発表していた。 スコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、このツイートについて「不快極まりない」と非難。ツイッターには画像の削除を求め

      ツイッター、中国高官の加工画像削除せず 豪首相の要請退け
    • 河野太郎が思わず漏らした…ワクチン争奪戦「敗戦濃厚」で日本が世界から締め出される!(町田 徹) @moneygendai

      ワクチン後進国に転落した 日本は世界から大きく取り残されるのだろうか。 新型コロナウイルス・ワクチンの接種担当である河野太郎・行政改革担当大臣は2月2日の記者会見で、「供給スケジュールに影響が出ている」と述べ、米製薬大手ファイザーのワクチン確保に暗雲が立ち込めているという事実を明らかにした。EUが域内で製造しているワクチンに輸出規制を導入したためだ。 世界ではすでに、日本以外のG7(主要7カ国)はもちろん、61の国と地域がワクチンの接種を開始した。日本の出遅れは明らかだ。 振り返れば、歴史的なワクチン行政の体たらくで、日本は「ワクチン後進国」に転落、新型コロナで日の丸ワクチンの早期開発に失敗した。次いで外国製ワクチン争奪戦の緒戦に敗れ、ワクチン接種の早期開始ができなかった。 さらに今、河野大臣は、EUのようなワクチン・ナショナリズムの台頭によって、日本政府のワクチン接種計画の縮小や遅延が懸

        河野太郎が思わず漏らした…ワクチン争奪戦「敗戦濃厚」で日本が世界から締め出される!(町田 徹) @moneygendai
      • オーウェル「バーナム再考:現状追認知識人の権力崇拝とその弊害」(1946) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

        Executive Summary ジョージ・オーウェルが、第二次世界大戦中および大戦後に人気を博した通俗評論家バーナム『管理職革命』『マキャベリ主義者たち』を徹底的に批判した書評的エッセイ。バーナムは、マキャベリを引き合いに出して、政治は常にエリートのだましあいの権力奪取で大衆は奴隷、イデオロギーなんて大衆動員の口実、パワーこそ正義、と冷徹なリアリストを気取ってみせた。この見立てを元に、バーナムはドイツが勝っているときはナチスこそ新世界秩序の盟主、ソ連なんか一撃でおしまい、抵抗するな、受け入れよと説いたくせに、数年後にドイツが負け始めたら、ソ連最強でスターリン社会主義が世界を支配する、と手のひら返しを演じて見せた。だがこれは「知識人」にきわめてありがちな態度で、彼らに蔓延する敗北主義の根底でもある。「リアリズム」と称しつつ、臆病な現状追認の権力すりより行動でしかないのだ。根底にある社会の

          オーウェル「バーナム再考:現状追認知識人の権力崇拝とその弊害」(1946) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
        • 【2021年6月版】世界史関連の新刊60冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

          今月は歴史専門書の数がが多いです 2021年6月の世界史関連新刊紹介です。 今回は2021年3月~6月までの新刊をご紹介します。今回の特徴は非常に専門書の数が多いことです。また、紹介する本の数も60冊にもなっています。 今回からはカテゴリに分けて、それごとにコメントを入れるようにします。 買った本 今回紹介する本の中では2冊しか買っている本がありませんでした。 若手の中国史家でご活躍されている佐藤信弥氏の本が3月に出ています。文中、キングダムについても言及されており、古代中国史に関心をもった方のエントリーとしてよろしい本と思います。 1. 『戦争の中国古代史』 佐藤 信弥 著 講談社現新書 2021/3/17 ¥1,100 戦争の中国古代史 (講談社現代新書) 作者:佐藤信弥 講談社 Amazon 群雄割拠! 殷・周・春秋戦国時代に繰り広げられた古代中国の戦争を軸に、「中華帝国」誕生の前史

            【2021年6月版】世界史関連の新刊60冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
          • 「サンモニ」コメンテーター、ウクライナは「一方的な被害者でもない」/デイリースポーツ online

            「サンモニ」コメンテーター、ウクライナは「一方的な被害者でもない」 拡大 評論家の寺島実郎氏が27日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、ロシアのウクライナ侵攻について持論を語った。 寺島氏はロシアの侵攻について「民主主義の試練」の観点から分析。ロシアが「いつの間にか、民主主義の国からプーチン専制の、極端に言うとヒトラーがやったこととほぼ同じストーリーに移りつつあります」と厳しく指摘した。 ウクライナについても「一方的な被害者かっていうと、そうでもない」とした。「たくましい国づくりをしてるかというと、そうでもない」と断言。「ゼレンスキーっていう大統領は、誤解されてはいけませんけどコメディアンだった人ですよ。『コメディアンがいかん』なんて話ではないですよ。人気者を大統領に選んでいくっていう流れの民主主義に達した」と分析した。 続けて、日本も含めて「民主主義の価値」について「考えないといけ

              「サンモニ」コメンテーター、ウクライナは「一方的な被害者でもない」/デイリースポーツ online
            • 終結・野党共闘―総選挙に向け、共産党は立憲への全面攻撃に転じる|こたつぬこ

              はじめに 今月末までには自民党総裁選、立憲民主党代表選の投開票が行われ、与野党第一党の新たな代表が選出されることになる。統一教会、裏金問題に端を発する自民党の構造的危機は、対抗する野党勢力に対する国民の潜在的期待を高め、総裁選、代表選の帰趨によっては数十年ぶりの政権交代が起こりうる状況下に今はある。自民党の大失墜という未曽有の事態は、しかしながら全野党の結束を強めるどころか、特定の野党間の決裂を決定的なものにする方向に向かっている。この間日本共産党は立憲民主党代表選を批判し、小選挙区での刺客擁立を急速にすすめている。これに対して立憲民主党内には、「候補者調整に向けた取引のためだろう」という声があるらしいが、これは間違いである。共産党の方針にはもはや「市民と野党の共闘」の文字はない。共闘を破棄し、立憲民主党を主要敵に設定することで比例票を稼ぐ方針に転じたからだ。 1、共産党選対局の敗北 9月

                終結・野党共闘―総選挙に向け、共産党は立憲への全面攻撃に転じる|こたつぬこ
              • nix in desertis:書評:『南北朝時代』『隋』(中公新書)

                ・『南北朝時代』(会田大輔,中公新書,2021年) 中国の南北朝時代の概説書。講談社選書メチエの『中華を生んだ遊牧民』との違いは,あちらは鮮卑に焦点を当てつつ後漢代から北魏までの華北を扱っているのに対し,こちらは時代が南北朝時代のみで短い代わりに南朝も扱っている。北魏についての話題は似通っているが,当然あちらの方が濃い。両方読むのを勧める。北魏については主張が違うところもある。あちらの本では,魏の国号を採用し土徳をを採用したことについて,北魏が三国魏を継承する形をとったためと説明していたが,こちらは鮮卑は三国魏をも否定していて,火徳の後漢の後継王朝であることを示すため土徳の魏としたという説を採っている。 かたや南朝宋は東晋の時代にあった再統一への野望が薄れ,江南を本拠地とする諦めに沿った改革が進んでいく様子が描写される。西晋の滅亡によって伝統が失われたため,宮中祭祀等で”それっぽい新たな伝

                • 観光客の哲学の余白に(25) リベラルと保守を超える|東浩紀

                  この連載は「観光客の哲学の余白に」と題されている。2017年に出版した『観光客の哲学』で書き漏らしたことを中心に、もろもろ思いつくままに随想を綴る連載という意味でつけた。 いま、その『観光客の哲学』を本格的に改訂する作業を進めている。現行の『観光客の哲学』は2部7章(補論を含めて8章)から成っているが、そこに新たに2章を加えて、増補版が来年春に刊行される。うち1章はこの秋刊行の『ゲンロン12』に先行掲載される。先行掲載分だけで8万字(原稿用紙200枚)を超えているので、増補版はかなりの分量になるだろう。期待されたい。 先行掲載される内容は、シラスの放送などで小出しに語っているし、著者としては論文そのものを読んでほしいので紹介しない。けれども、ひとことだけ記しておけば、それは同書の増補のためだけでなく、いまの思想的な閉塞感を打破するためにも書かれた文章になっている。 2021年現在、この国の

                    観光客の哲学の余白に(25) リベラルと保守を超える|東浩紀
                  • Funke et al.「ポピュリズムのコスト:歴史からの証拠」(2021年2月16日)

                    [Manuel Funke, Moritz Schularick, Christoph Trebesch, “The cost of populism: Evidence from history,” VoxEU, February 16, 2021] 【概要】過去20年間でのポピュリズムの台頭を受けて,その原動力に関する研究が大いに行われてきた.だが,ポピュリズムの経済的・政治的な帰結については,それほどよく知られていない.本コラムでは,1900年までさかのぼるポピュリズムに関する包括的・国家横断的なデータベースを用いて,歴史的・長期的な視座を提示する.本稿では次の点を示す:(1) ポピュリズムには長い歴史があり,〔同じ国で〕連続して存続し続ける性質をもつ――ひとたびポピュリストに統治されると,その国では将来に別のポピュリストが権力を握る見込みがずっと大きくなる; (2) ポピュリスト体

                      Funke et al.「ポピュリズムのコスト:歴史からの証拠」(2021年2月16日)
                    • 「スピリチュアル」はナショナリズムと合体するのか? 橋迫瑞穂氏インタビュー - wezzy|ウェジー

                      パワーストーン、オーラソーマから布ナプキンまで、「スピリチュアル系」と呼ばれるグッズやサービスはいまや一大市場を築き上げ、必ずしも神秘体験を求めない人も気軽に購入するまでになっている。とくに大きな消費層の一つとなっているのが妊娠・出産を迎えた女性たちで、活況の一方で健康被害が懸念されるものも少なくない。 なぜ母親になろうとしている人たちは、スピリチュアルを切実に求めるのか。宗教社会学者である橋迫瑞穂さんによる『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』(集英社新書)は、実際の「スピリチュアル市場」を調査した経験と、数々の文献からその背景を読み解いた一冊だ。 インタビュー前編では「スピリチュアル」の歴史的経緯と、しばしば目にするスピリチュアルとナショナリズムとの接近について話を聞いた。(聞き手・構成/柳瀬徹) 橋迫瑞穂(はしさこ・みずほ) 1979年、大分県生まれ。立教大学大学院社会学研究科社会

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                      • 実写版『ムーラン』の迷走に学ぶ中国ビジネスの難しさ

                        中国のスターをそろえた『ムーラン』はヒット確実に見えたが(北京のバス停に貼り出されたポスター) CARLOS GARCIA RAWLINS-REUTERS <大ヒット確実と言われたディズニー渾身の最新映画がまさかの大ひんしゅく──13億人の中国市場に甘い夢を見る多国籍企業が直視すべき教訓とは> ディズニーの最新映画『ムーラン』が迷走している。 もともと4月に公開予定だったが、コロナ禍による延期の末に劇場公開を見送り、ディズニーのストリーミングサービス「ディズニープラス」で有料配信することに。昨年8月には、主人公を演じる劉亦菲(リウ・イーフェイ)が、香港の民主化運動を弾圧する警察への支持を表明したため、ソーシャルメディアを中心にボイコットを呼び掛ける声が広がっていた。 ようやく9月4日にネット配信が始まったと思ったら、撮影の一部が行われた新疆ウイグル自治区の治安当局への謝辞がエンドクレジット

                          実写版『ムーラン』の迷走に学ぶ中国ビジネスの難しさ
                        • 中北浩爾『日本共産党』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                          6月9 中北浩爾『日本共産党』(中公新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 『自民党―「一強」の実像』(中公新書)や『自公政権とは何か』(ちくま新書)などの著者が今回挑むのは日本共産党。野党共闘の鍵となる存在でありながら、外側からはその内実がよくわからない日本共産党について、その歴史を紐解きながら実像に迫っていきます。 『自民党―「一強」の実像』や『自公政権とは何か』では、基本的に現在の意思決定や選挙対策などをとり上げて分析していましたが、今回の『日本共産党』の記述のメインとなるのはその歴史です。 これは日本共産党が現存する政党の中で最も古い歴史を持ち、その政策や意思決定の過程がかなりの部分、過去の積み重ねによって規定されているからです。 そのため、本書は本文だけで400ページ以上あり、なおかつソ連が崩壊するまでの記述で300ページ近くあります。そのため、個人的には面白く読めましたが、前半

                          • 11年前のベーシックインカム論に一字一句変更の要無し - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                            何回か再掲してきたものですが、またぞろ日本維新の会がベーシックインカムを打ち上げたという報道もこれあり、またぞろ再掲させていただきます。もう今から11年以上前、2009年の年末に、文藝春秋が出している『日本の論点2010』に寄稿したものですが、一字一句変更の必要はないと思います。 マクロ社会政策について大まかな見取り図を描くならば、20世紀末以来のグローバル化と個人化の流れの中で、これまでの社会保障制度が機能不全に陥り、単なる貧困問題から社会的つながりが剥奪される「社会的排除」という問題がクローズアップされてくるともに、これに対する対策として①労働を通じた社会参加によって社会に包摂していく「ワークフェア」戦略と、②万人に一律の給付を与える「ベーシックインカム」(以下「BI」という)戦略が唱えられているという状況であろう。 筆者に与えられた課題はワークフェアの立場からBI論を批判することであ

                              11年前のベーシックインカム論に一字一句変更の要無し - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                            • 町山智浩 NHK大河ドラマ『いだてん』を語る

                              町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でNHK大河ドラマ『いだてん』についてトーク。そのすごさについて赤江珠緒さんと語り合っていました。 今まであたたかいご声援ありがとうございました❗️ いよいよ2020年、オリンピックイヤー? みなさま、良いお年をお迎えください?#いだてん 「総集編」年明けに、BSプレミアムでも放送いたします✨ ?[BSプレミアム] 1/2(木)〈第1部〉前8:00~10:15 1/3(金)〈第2部〉前8:00~10:15 pic.twitter.com/mXURhdeE2r — 大河ドラマ「いだてん」 (@nhk_td_idaten) December 30, 2019 (町山智浩)で、もうひとつはね、僕がドラマだったらやっぱりベスト級だったと思うのはね、NHKの大河ドラマの『いだてん』なんですよ。で、これはすごかったんですよ。 (赤江珠緒)私も見てました。 (

                                町山智浩 NHK大河ドラマ『いだてん』を語る
                              • トマス・ピンチョン「『1984年』への道:オーウェル『1984年』序文」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                Executive Summary トマス・ピンチョンによるオーウェル『1984年』への2003序文。本書が単なる反ソ反共小説ではない。オーウェル自身、立派な左派社会主義者ではあった。だが彼は、制度化された社会主義が己の権力にばかりこだわり、スターリニズムに目を閉ざし、むしろ肯定するのに絶望していた。本書の批判は、そうした社会主義が己の権力温存のために使う手段の戯画化である。世界分割はヴェルサイユ講和会議や第二次大戦後の戦後体制の戯画化でもある。本書の批判はもちろん、現在のネット監視社会の予兆めいた部分もある。その一方で、宗教的な狂信は登場せず、反ユダヤ主義的な面もほとんどない。オーウェルは、本書で底辺労働者に希望を寄せている。そして最後に、ニュースピークについての過去形の論説を載せることで、ビッグ・ブラザー支配がいずれ倒れることを予見しているのかもしれない。彼は一般人の人間性、親子愛など

                                  トマス・ピンチョン「『1984年』への道:オーウェル『1984年』序文」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                • ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像【下】 - 清義明|論座アーカイブ

                                  「ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像」【上】【中】もお読みください。 6.ウクライナの「歴史修正主義」 ユーロマイダンで極右の政治的発言権が一躍強くなったころ、ウクライナではいわゆる「歴史修正主義」の問題が持ち上がりだした。問題視されたのが第2次大戦前に結成されたウクライナ民族主義者組織の指導者ステパン・バンデラの再評価である。 私はサッカーフーリガンの政治化、さらには世界の極右・ネオナチ事情を追ってきてはいるが、この東欧の民族主義については門外漢である。よってこのバンデラ主義の解説については、他の方に譲りたいのだが、簡単にだけ説明をする。 バンデラ主義とは、第二次世界大戦前に発生したウクライナ・ナショナリズムの運動のことで、ウクライナを支配していたソ連政権下で発生し、1941年にナチスドイツがソ連と開戦すると、ナチスドイツに協力し、そ

                                    ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像【下】 - 清義明|論座アーカイブ
                                  • 書評 「Speech!」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                    SPEECH! How Language Made Us Human (English Edition) 作者:Prentis, SimonhogsaloftAmazon 本書は通訳兼翻訳家(何カ国語も扱うが特に日本語通訳としてのキャリアが長い)であるサイモン・プレンティスによる言語が使えることによりヒトは何を成し遂げてきたのかを論じる本になる.プレンティスは言語学や進化生物学の専門家というわけではないが,ドーキンスやピンカーが推薦文を寄せているというので読んでみたものだ.副題は「How Language Made Us Human」 冒頭には「ウクライナのための序文」がおかれている.これは本書脱稿後にロシアのウクライナ侵攻が生じたことを受けているもので,(実は本書ではその最終章で,言語により世界が平和に向かってきたが,それはなお未完であり,国連の改革が必要であることを論じている)どうして

                                      書評 「Speech!」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                    • 日本人が空気を読むという、日本的現象の社会/歴史的原因 〜日本の情緒的文化圏、無階級社会、近代的大衆社会とヨーロッパの過剰な論理的文化圏、明確な階級社会の対比と、共通する近代的大衆化問題 - 日々是〆〆吟味

                                      空気を読むという、日本的現象の社会/歴史的背景 ヨーロッパの論理的文化圏と、日本の情緒的文化圏 ヨーロッパの階級と日本の無階級 近代化にともなう人間の大移動 〜大衆の問題 気になったら読んで欲しい本 ウェーバー『音楽社会学』 中島義道『ウィーン愛憎』 本居宣長『玉勝間』 丸山眞男『忠誠と反逆』 ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』 ノーマン『日本における近代国家の成立』 オルテガ『大衆の反逆』 神島二郎『近代日本の精神構造』 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 渋沢栄一『論語と算盤』 続きのお話 前回までのお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/25/190035 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/26/190017 空気を読むことに関するものをまとめたのはこちら

                                        日本人が空気を読むという、日本的現象の社会/歴史的原因 〜日本の情緒的文化圏、無階級社会、近代的大衆社会とヨーロッパの過剰な論理的文化圏、明確な階級社会の対比と、共通する近代的大衆化問題 - 日々是〆〆吟味
                                      • TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』が曝け出す対立のメルトダウン:「沼地」のスクールアイドル・序論|髙橋優

                                        これらのツイートは、日本のアニメが中国でも受け入れられているなどという単純な発信ではなく、中国のソフトパワーが日本を席巻しているという同胞向けの広報として読むべきだろうが、いずれにせよ、本作が現代の中国人の雰囲気や典型的性格を割と丁寧に写し取っているのは一面の真理ではあるだろう。可可は「~アル」「~ヨ」「~ネ」といった語尾を連発する従来のインチキ中国人キャラではない。可可は独特な「の」を操るという、日本語を喋る中国人のリアルな質感を伝えている。たとえば、可可は第10話で「ムリです! 大切なラブライブの最初の課題ですよ! 二人よりポテンシャルが低いのこの人に任せるわけには……」と言うが、これは中国語では形容詞と名詞をつなぐ際に「的」が必要となることに起因する典型的な翻訳調の日本語である。なお、キャストのLiyuuもツイッターではしばしば似たような「の」の使い方をしている。 ともあれ、本作の真

                                          TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』が曝け出す対立のメルトダウン:「沼地」のスクールアイドル・序論|髙橋優
                                        • 改めて考える「WHO」は本当に中国の傀儡か:鈴木一人 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

                                          3月11日、「新型コロナウイルス」のパンデミックを宣言したテドロス事務局長。その役目は果たされているのか (C)AFP=時事 「新型コロナウイルス」の世界的に感染拡大する中で、その名が世界に知られ、全世界が注目することになった世界保健機関(WHO)。 国連の専門機関として保健や公衆衛生の分野において国際協力の起点となり、これまでもSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)、鳥インフルエンザのような国境を越える感染症の対策で役割を果たしてきた。 このWHOが今回の新型コロナウイルス対策を巡って様々な批判に晒されている。 その中心にあるのが、WHOと中国の関係だ。 事務局長であるテドロス・アダノムが中国の支援を受けて選挙で勝てたため(2017年6月5日『「光」も「影」も見えたWHO事務局長選挙』参照)、中国に頭が上がらないといった批判や、中国から多額の資金を得ているために中

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                                          • 長周新聞について調べたら面白かった

                                            記者座談会 統一教会と自民の関係にメスを 反共右派として育てた為政者の罪 | 長周新聞 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24165 岡良様 on Twitter: "長周新聞・・・スゲェーな!" https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/oka1029ri/status/1549691233039446018 これらの記事が「真のジャーナリズム」とか「地方紙の気概」とか絶賛されてて、 確かに部分的には正論なんだけどちょっと怪しさがないか?と思ったので長周新聞について調べてみたよ。 B 日本統一教会の原点は戦後に反共産主義を掲げて岸信介を中心とした右翼連中でつくっていた「防共挺身隊」といわれ、岸信介の出身地である熊毛地方には一定の集団がいたことが知られ

                                              長周新聞について調べたら面白かった
                                            • 藤野裕子『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                              9月8 藤野裕子『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 「民衆暴力」とはなかなかインパクトのあるタイトルですが、副題にあるように日本近代史における民衆の暴動、暴力を考える1冊です。 とり上げられているのは、主に新政府反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災の朝鮮人虐殺の4つの事件。秩父事件のように民衆の抵抗としてポジティブに捉えられている事件もあれば、朝鮮人の虐殺のように歴史の暗部として捉えられている事件もありますが、本書は「なぜ暴力が噴出したのか?」という民衆側の論理を読み解く内容になっています。 その論理には時代性に強く規定されたものがある一方で、時代を超えた普遍的と言えるものもあります。日本近代史を読み解く上ではもちろん、幅広く暴動や暴力といったものを考える上でも非常に面白い内容を含んだ本になっています。 目次は以下の通り。序章

                                              • なぜリベラルは敗け続けるのか?どこに突破口があるのか?|倉本圭造

                                                一個前の記事↑で紹介した、政治学者の岡田憲治氏の本、物凄い共感したんですが、同時に結構読み通すまで時間がかかったというか、『文化の違い』をかなり感じたんですよね。 なんか、多少保守派っぽい部分がある自分から見ると凄い「バリッバリに左翼の人」感があって苦手だったというか。 でも、一個前の記事で書いたように、岡田氏がやられた「PTAの改革」には、私が常々主張している「日本社会を変えていくにはこうするしかない」という発想それそのものドンピシャ!みたいな内容が書かれている。これ以上ないってほど同意しまくりながら読んだわけです。 この「政治的な立場」は真逆なのに、「具体的な改革案」の内容には物凄い共感する・・・っていう現象が凄い面白いなと思ったんですよね。 この記事はその事自体について真剣に考える記事です。 タイトルの「なぜリベラルは負け続けるのか」っていうのはちょっと煽っているように見えますが、こ

                                                  なぜリベラルは敗け続けるのか?どこに突破口があるのか?|倉本圭造
                                                • 伝統や文化は経済の必要性(田舎でも儲かる商売として)や失われることによって(懐古主義/復古主義)や他国の尺度で整理(自国の西洋基準判断)されたり現在の観点から生み出されたり(近代の創出=捏造)していて、意外と新しかったりその都度創られたり理由がはっきりしていなかったり誤解されていたりする【ホブズボーム『創られた伝統』 】 - 日々是〆〆吟味

                                                  国家的オリジナリティとしての歴史や伝統への疑問 〜守るべき歴史の困難 『創られた伝統』 スコットランド高地地方の衣装 植民地支配下のインドにおけるインド文化の形成 新しかったり、外から作られたりしている伝統や文化 気になったら読んで欲しい本 ホブズボーム『創られた伝統』 小谷野敦『日本文化論のインチキ』 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/12/06/190050 国家的オリジナリティとしての歴史や伝統への疑問 〜守るべき歴史の困難 とりあえす歴史的な保守というものをヨーロッパ(的世界化、今ならグローバル化)に対抗するために国家的オリジナリティとして歴史が存在し、その上での国民性というものがあってそれを守らなければならない、と一応ここでは捉えておきましょうか。しかしこの歴史における綿々と続いているはずのもの、というものが、実はかなり怪し

                                                    伝統や文化は経済の必要性(田舎でも儲かる商売として)や失われることによって(懐古主義/復古主義)や他国の尺度で整理(自国の西洋基準判断)されたり現在の観点から生み出されたり(近代の創出=捏造)していて、意外と新しかったりその都度創られたり理由がはっきりしていなかったり誤解されていたりする【ホブズボーム『創られた伝統』 】 - 日々是〆〆吟味
                                                  • クーデターから1000日のミャンマー(その2)|春の革命

                                                    2021年2月1日のミャンマー軍によるクーデター後、ミャンマー全土で大規模なデモや抗議活動が連日続いた。その先頭に立っていたのは10代から20代の若者たちで、ミャンマーではズィージェン(Z Gen / Z世代)と呼ばれている。この世代は今までのミャンマーに存在しなかった、まったく新しい世代だった。何十年にもわたる軍事独裁政権下で生きてきた親や祖父母の世代とは異なり、物心ついた頃には(限定的ながら)民主化された国であり、スマートフォンを駆使するデジタルネイティブとして、世界と繋がっていた。日本の同世代の若者と比べても、ほとんど変わらない。 武力闘争を選んだZ世代の若者たち クーデター後、彼らは真っ先に先頭に立った。軍の恐ろしさを知る親たちはデモへ参加しないよう諭したが、若者たちは耳を貸さなかった。やがてデモは親世代や祖父母世代も巻き込む大規模なものへと発展した。デモの先頭に立つ若者に質問した

                                                      クーデターから1000日のミャンマー(その2)|春の革命
                                                    • 勢いだけの国民投票ではサイコロを振るのと同じ 求められるのは「理の政治」 | | 石川健治 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                                      近時の憲法審査会は、とりあえず多数の賛成を得られそうな争点に絞った上で、いつ審議を打ち切り多数決による見切り発車に切り替えるか、という「日程の政治」へ移行している気配がある。 憲法改正プロセスにおいて、現状では審査会だけが、唯一「数の力」ではなく「理の政治」に徹し得る合議体だ。そこで担保された「理」が、国民が納得ずくで選択するための前提条件になる。この点が不十分なまま、勢いだけで国民投票に持ち込めば、国民にサイコロを振らせるのも同然となり、仮に改憲が成立しても、国民的基盤を得て定着することは難しい。 世界史上成功した憲法会議は、みな「理の政治」に徹し、意見が割れていなかった。立憲主義は、異質な他者との共存の思想だからである。現行憲法の場合も、1946年の帝国議会で高い水準の議論を経た上で、圧倒的多数により可決された。 ナショナリズムの応援のない憲法 日本は、明治維新以来、新政府の政治組織を

                                                        勢いだけの国民投票ではサイコロを振るのと同じ 求められるのは「理の政治」 | | 石川健治 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                                      • 内田樹「街場のマンガ論」-リベラル男は自分のマッチョに無自覚だから自覚的にやってる奴より却ってタチが悪い- - 漫画の話をしましょうか

                                                        「人の意見には耳を貸さない」を、ここまで屁理屈をこねて正当化を図るのはさすが学者先生だと思いました。 てか「こいつには何言っても無駄」と思わせるのが論争における無敵のひとだと身をもって実践されるとはお見事です。 つまりこの方には何を言っても無駄。 ということで、遠慮なく言わせていただくことにします。 内田樹「街場のマンガ論」 インテリ親父の語る「少女漫画論」ほど腹が立つものはない。 大概とんでもなく的外れな上に「少女漫画にも造詣が深い、封建的でマッチョな普通の男とは一線を画すリベラルな僕」つーナルシシズム満載だから。 この本、すんげ事実誤認(つか、無知)多いんですよ。もう目を覆いたくなるほど。 ●「オタクは歴史を好まない」 「オタクは彼ら自身がどのような歴史的文脈の中から生まれてきたものか、おのれの出自について、その非規定性について語るのを好まない」(p105) んなわけねえだろ。ちまたに

                                                          内田樹「街場のマンガ論」-リベラル男は自分のマッチョに無自覚だから自覚的にやってる奴より却ってタチが悪い- - 漫画の話をしましょうか
                                                        • 草津町に対してフェミが謝罪と責任をとらない限り、日本もこうなる

                                                          ブルームバーグ:移民と危機によりドイツの極右支持が増加 世論調査だけでなく、バ​​イエルン州やヘッセン州の選挙結果からも分かるように、ドイツでは極右勢力への支持が高まっているとブルームバーグは書いている。 専門家らは、特に旧東ドイツにおける不法移民の増加、古い産業の衰退、生活費の上昇が原因だとしている。 欧州連合最大の経済国であるドイツはナショナリズムの復活に直面しているとブルームバーグは書いている。 そしてこれは他のEU諸国にも影響を及ぼします。 異なる派閥間の争いは特に東ドイツのザクセン州で顕著である。 ドイツ統一後、ドレスデン州の州都はモデル都市になるはずだった。その中心部が修復され、その周囲に国際企業からの投資が集中した最大規模の企業による技術クラスターが形成された。 「 これらすべては、ドイツのための選択肢への支持の拡大を止めるには十分ではありませんでした。」 古い産業の衰退と新

                                                            草津町に対してフェミが謝罪と責任をとらない限り、日本もこうなる
                                                          • 羅芝賢・前田健太郎『権力を読み解く政治学』 - 西東京日記 IN はてな

                                                            『番号を創る権力』の羅芝賢と『市民を雇わない国家』の前田健太郎による政治学の教科書。普段は教科書的な本はあまり読まないのですが、2010年代の社会科学においても屈指の面白さの本を書いた2人の共著となれば、これは読みたくなりますね。 morningrain.hatenablog.com morningrain.hatenablog.com で、読んだ感想ですが、かなりユニークな本であり教科書としての使い勝手などはわかりませんが、面白い内容であることは確かです。 本書の、最近の教科書にしてはユニークな点は、序章の次の部分からも明らかでしょう。 この教科書ではマルクスを正面から取り上げることにしました。それは、マルクスの思想が正しいと考えるからではなく、それを生み出した西洋社会を理解することが、日本をよりよく知ることにつながると考えたからです。 20世紀以後の日本の政治学は、欧米の政治学の影響を

                                                              羅芝賢・前田健太郎『権力を読み解く政治学』 - 西東京日記 IN はてな
                                                            • 【読み放題対象】国家論Ⅰ ~「日本人に生まれたというだけで、日本人には価値がある」という言葉は、なぜリベラルをあそこまで怒らせたのか~|丹羽薫ちゃん

                                                              【読み放題対象】国家論Ⅰ ~「日本人に生まれたというだけで、日本人には価値がある」という言葉は、なぜリベラルをあそこまで怒らせたのか~ コロナ禍になってからずっと私は、あの有名な「日本人に生まれたというだけで、日本人には価値がある」という言葉をめぐっておきた炎上事件について何かを書かなくては、と思っていた。なぜって、都市も国境も封鎖され、グローバリズムが破綻し、国民国家が国境の中の閉鎖的な系に逃げ込んだように見えていた中、もはや最後にすがる価値観のようになった「ナショナリズム」について考える時に、あの時ほど、人々の先鋭化した考え方がむき出しになった事件は無いと思えたからだ。 私の疑問は、「日本人には価値がある」をめぐって、なぜあそこまで擁護派と反感派がすれ違ったのかということだった。最初は全く理解不能だったが、考えを進めていけば、当然のすれ違いだった。 自己の政治理論をいくら先鋭化させてい

                                                                【読み放題対象】国家論Ⅰ ~「日本人に生まれたというだけで、日本人には価値がある」という言葉は、なぜリベラルをあそこまで怒らせたのか~|丹羽薫ちゃん
                                                              • 近代国家の成立のために歴史的背景と起源を求め創造される歴史的伝統文化と保守の立場 〜国家的オリジナリティとしての歴史【ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』 】 - 日々是〆〆吟味

                                                                歴史的立場としての保守 相容れないはずの保守同士の立場 変わりゆく政治権力や社会制度 近代 〜歴史による自分たちの出所説明 世界標準化した近代ヨーロッパ的価値観 〜非ヨーロッパ諸国の出所説明の必要性 母国的価値観とヨーロッパ的科学文明の必要性 均一化される世界の中での国家的オリジナリティとしての歴史 気になったら読んで欲しい本 本居宣長『玉勝間』 ムーニー『ゴースト・ダンス』 ワースレイ『千年王国と未開社会』 ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/12/05/190026 歴史的立場としての保守 相容れないはずの保守同士の立場 そんなわけで保守といってもほとんどバラバラで、一体何が共通するのだろう、と不思議になってきてしまいますが、それこそマンハイムのいうように新しく表れてきた勢力=敵によってま

                                                                  近代国家の成立のために歴史的背景と起源を求め創造される歴史的伝統文化と保守の立場 〜国家的オリジナリティとしての歴史【ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』 】 - 日々是〆〆吟味
                                                                • オッペンハイマーと仁科芳雄 科学史家による映画『オッペンハイマー』考、補論 | 科学史家による映画『オッペンハイマー』考 | 伊藤憲二 | WEBみすず

                                                                  仁科芳雄の「伝記」を書いた人間として(1)、映画『オッペンハイマー』を観ると考えずにはいられないのは、仁科とオッペンハイマーの関係だ。彼らが直接会ったことは少なく、一見、あまりかかわりがないかのようではある。しかし、実は両者は深いところでつながっていた。そのことについて書きたい。 仁科芳雄とオッペンハイマーが直接会う機会はあっただろうか。二人がヨーロッパにいた時期は一部重なっていたが、滞在場所がずれていた。どこかの学会で顔を合わせた可能性がないわけではないが、それがあったとしても記憶に残るような交流がなかったことは、のちの手紙でわかる。仁科は欧州留学から日本に帰る前、1928年に米国各地を訪問し、12月にカリフォルニア工科大学やカリフォルニア大学バークレー校を訪問している。しかし、オッペンハイマーはまだそこに着任していなかった(2)。 結局、仁科がオッペンハイマーと直接会ったのは1950年

                                                                    オッペンハイマーと仁科芳雄 科学史家による映画『オッペンハイマー』考、補論 | 科学史家による映画『オッペンハイマー』考 | 伊藤憲二 | WEBみすず
                                                                  • マルクス主義と中華文明の共通性@潘岳 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                                                    8月10日のエントリ「香港に栄光あれ(願榮光歸香港)」に、SATOさんという方がコメントをつけられていて、そこで、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-ab6a8a.html#comment-118266470 さて、今現在の中国共産党の公式見解であるところの、マルクス主義なるものがいったいどういうものかということが、たいへんよくわかるコラムを発見したので紹介させてください。 今現在(2020/08/18)、中国政府の日本語広報誌である雑誌「人民中国」のweb版のトップページから入ると「潘岳・中国を語る」というコラムが掲載されています。著者の潘岳氏は、歴史学博士で中央社会主義学院第一副院長、共産党中央委員会候補とのこと。 という情報を提供されていますので、さっそく見に行ってみました。 http://www.peopl

                                                                      マルクス主義と中華文明の共通性@潘岳 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                                                    • 菊池秀明『太平天国』(岩波新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                                                      2月23 菊池秀明『太平天国』(岩波新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 帯には「人類史上最悪の内戦」との言葉が載っていますが、太平天国の乱による死者は江蘇省だけで2000万人を超えるとも言われ、まさに世界大戦に匹敵するような犠牲者が出ています。また、乱が14年近く続いたのも1つの特徴で、同じく清末の反乱として知られている義和団の乱に比べると、その持続性は段違いです(義和団の乱は1年ちょっと)。 本書はそんな太平天国の乱の始まりから終わりまでをたどるとともに、そこに中国の歴史に繰り返し現れ、現代にも通じている1つのパターンを見出そうとしています。副題は「皇帝なき中国の挫折」となっていますが、単純に太平天国の興亡のドラマを見せるだけではなく、中国の近代や、中国の政治や社会そのものを考えさせるような内容です。 目次は以下の通り。一 神は上帝ただ一つ二 約束の地に向かって三 「地上の天国」の実

                                                                      • ドイツで極右の支持上昇、社会分断深刻に-既存政党は対策見いだせず

                                                                        10月3日のドイツ統一記念日の祝日に、東部のドレスデンではLGBTQ(性的少数者)や移民を支持するデモ参加者と極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」支持者が一触即発の事態に陥った。武装した州警察が展開していたおかげで直接的な衝突は回避されたが、露骨に表れた感情はもはや無視できない状態だった。 景気低迷が続く一方で移民急増に悩むドイツではナショナリズムが再び台頭し、国の方向性を巡って第2次大戦後で最も市民の間に分断が生じている。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争に直面する中で、ドイツでの緊張は欧州連合(EU)の他の国にも影を落としつつある。 ドレスデンはドイツ政府による再統一後の政策の成功例であるはずだ。ネオルネサンス様式の旧市街中心部は隅々まで復元され、周辺のザクセン州はインフィニオンテクノロジーズ、ロバート・ボッシュの半導体部門に続き、台湾積体電路製造(T

                                                                          ドイツで極右の支持上昇、社会分断深刻に-既存政党は対策見いだせず
                                                                        • 風呂屋の「ゆ」を愛でる

                                                                          変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。 前の記事:〇〇エッグという名前の料理が多いので整理したい > 個人サイト 海底クラブ 京都の町は銭湯が多い 時代の流れで廃業する個人経営の銭湯は多い。 しかし、私の住んでいる京都市では2020年がまさに終わろうとしている今日でも、ありがたいことにそこそこの数の銭湯が営業を続けている。(勘のいいひとは気づいたでしょうが、この記事は2020年の大晦日に書かれています) (載ってない銭湯もあるので、実際はさらに多いです。) 銭湯の数だけ「ゆ」がある。全部はとても無理だけれど、京都市内で見かけた「ゆ」を紹介していこうと思う。 よく見る「ゆ」 いろいろな「ゆ」がある。みんなちがってみんないい。と言いたいところだが、一番頻繁に出くわすのはこのロゴである。 これと同じタイプの「ゆ」が一

                                                                            風呂屋の「ゆ」を愛でる
                                                                          • ロシア軍のウクライナ軍事侵攻に関するチェチェン連絡会議声明|チェチェンニュース

                                                                            (拡散希望) 2月24日に始まったロシア軍のウクライナ軍事侵攻は、日を追うごとに悲惨さを増しています。ウクライナでは子どもや一般市民を含む大勢が戦争の犠牲となり、女性や子どもたちを中心とした多くの難民が、着の身着のままポーランドなどの隣国に逃れています。 プーチン大統領が命じたこのロシア軍の軍事侵攻に対して、長年チェチェンにおける平和の回復と支援を行ってきたチェチェン連絡会議は、戦闘の即時停止とロシア軍のウクライナからの完全撤退を求めます。 ここで私たちが関わってきたチェチェン戦争について、改めて振り返ります。1994年12月に始まったチェチェン戦争は、ロシア連邦からの独立を目指していたチェチェン共和国に対してロシア軍が突如軍事侵攻したことにより始まりました。しかしこの第1次チェチェン戦争は、人口わずか100万人あまりの小国チェチェンが、大国であるロシア軍を追い詰め、実質的な勝利のうちに停

                                                                              ロシア軍のウクライナ軍事侵攻に関するチェチェン連絡会議声明|チェチェンニュース
                                                                            • 反知性主義の極みをさらけ出す五輪聖火リレー - 白井聡|論座アーカイブ

                                                                              反知性主義の極みをさらけ出す五輪聖火リレー 「主権者のいない国」の空虚はもうこれ以上隠せない 白井聡 京都精華大学人文学部准教授 3月25日、東京五輪の聖火リレーが福島県から始まった。 SNSを通じて流れてきたリレーの模様を伝える映像は、なかなかに驚くべきものだった。スポンサーロゴがデカデカと書かれた改造大型トラックが何台もゆっくりと走ってくる。 先頭を走るのはコカ・コーラの車両だ。ステージのような形状をした荷台にDJと思しき男が立ち、何事かを叫んでいる。「密を避けながら、密を避けながら! 共に最高の思い出をつくっていきましょう!」と叫んでいるように聞こえた。同時に、大音量の音楽がかかっており、キャンペーンガール(?)のようなスポンサー・ユニフォーム姿の若い女性たちが笑顔を振りまきながら手を振りつつ練り歩いている様子も見えた。視覚的にも聴覚的にもその騒々しさは度を越している。 「楽しめよ!

                                                                                反知性主義の極みをさらけ出す五輪聖火リレー - 白井聡|論座アーカイブ
                                                                              • 大喜劇! 韓国、漢字撤廃政策のせいで"過去にこだわる民族"が歴史を知らない説 ハングル化50年で失った大切なもの

                                                                                「日本と戦って独立を勝ち取った」説 慰安婦問題、元徴用工問題等々、歴史問題は日本と韓国との間の消えない火種であり続けている。韓国・文在寅大統領は8月15日、75回目の光復節の記念式典では日本に対する直接の批判は避けた模様だが、3年前の2017年には、「韓国の建国は1945年ではなく1919年」「日本と戦って独立を勝ち取った」という奇天烈な説を展開している。 こうした韓国の奇妙なロジックを、かつては強引に正当化する左派の言説が日本国内ではびこった。一般市民も突っ込みを入れられるネット上では、さすがに昔ほど幅を利かせることはなくなってきている。日本に非がまったくないとは言い難いが、韓国側の根深い歴史的被害者意識と捻じれたナショナリズムは、両国を離間させたい勢力の介入と相まって、しばしば日韓関係を歪めてきた。 各国の歴史の教科書を比べてみても、それが際立つ。すでに知られている例でいえば、2011

                                                                                  大喜劇! 韓国、漢字撤廃政策のせいで"過去にこだわる民族"が歴史を知らない説 ハングル化50年で失った大切なもの
                                                                                • 三菱の国産ジェット機が撤退に追い込まれた必然

                                                                                  三菱重工業がかつて「MRJ」(三菱リージョナルジェット)と呼ばれていた国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」からの撤退を表明した。2008年に事業化を決めてから何度も納入を延期。コロナ禍に入って開発が事実上、止まっていたが事業化のメドが立たなくなった。 この原因を多くのメディアが「型式証明の取得に手間取った」などと説明しているが、それは川下の話でしかない。 日本の主力産業といえば自動車だ。完成車メーカーのみならず、さまざまな部材がかかわる裾野の広い一大産業であり、雇用面などで日本を支えている。一方、新興国メーカーの台頭や部品点数が少ない、あるいは従来の自動車とは異なる部分も少なくないEV(電気自動車)の普及などによって、日本の自動車産業がネガティブな影響を受けてしまう恐れがある。 航空産業は自動車産業よりも、さらに精度や信頼性が高い部材が必要となり、途上国からの追い上げは自動車産業

                                                                                    三菱の国産ジェット機が撤退に追い込まれた必然